山岳遭難未満。無謀な谷川岳馬蹄形縦走。

山岳遭難未満。無謀な谷川岳馬蹄形縦走。

谷川岳
登山に関して、過去の自分の失敗から学べることは多いです。登山歴8年弱の初心者に毛が生えた程度の僕ですが、登山を始めた当初に比べるとずいぶん分別が付いたと自覚しています。

何度も失敗はしてきましたが、幸い致命傷を負うような大きな事故には遭遇していません。ですが、一歩間違えば遭難の危険もあったと思うことはありました。

という訳で、登山を始めて間もないころの失敗を、自戒を込めて書いて行きたいと思います。今回は、登山を始めてまもなくで登った谷川岳の馬蹄形縦走のお話。

実力の勘違い

登山を始めてまだ3カ月ぐらいの2011年9月、初めての友達と二人での登山を考えていました。そのつい先日、経験豊富な方におんぶにだっこ状態でついて行っただけの奥穂高登頂を我が実力と誤解した僕らは、勘違いの自信に満ちあふれて次なる山を模索していました。

ちょうどこのころ、雑誌「山と渓谷」で特集されていた「近くてよい山、谷川岳」という記事を見て、次は谷川岳だなと思い立ったのでした。

群馬県に位置する谷川岳は東京からはアクセスが良く、2000mにも満たない山ながら地理的に厳しい気候の影響を受けて急峻な岩壁が形成され、見ごたえ登りごたえのある山ということで「じゃあ、谷川で」という、昼飯を決めるくらいのノリで谷川岳に決めたのです。

そして谷川連峰の魅力を余すことなく堪能できるという「馬蹄形縦走」という単語に触発され、今度は縦走だなと思い立ったのでした。

谷川岳馬蹄形縦走とは、登山口である土合橋から1720mの白毛門までを一気に登り、そこから笠ヶ岳、朝日岳、七つ小屋山、武能岳、茂倉岳、一ノ倉岳、谷川岳といくつものピークを馬の蹄形に縦走するハードなコースで、標準的なタイムだと、1泊2日で1日目が約9時間半、2日目が7時間程度は必要になります。安全に踏破するにはそれなりの体力と知識が必要です。

「俺たちは日本第3の高峰、穂高岳を制したのだぞ」と完全に勘違いしきっていたうえに無知の極みである僕らは、「縦走とは台形の上を歩くことである」ぐらいに思っていました。

つまり、最初の登りはキツイけどいったん稜線に出れば後はフラットが続いて楽ちん楽ちん、素晴らしい景色をのんびり眺めて最後に下るのみ、という恐ろしい誤解を抱えて馬蹄形縦走に望んだのでした。嗚呼おそろしい誤解。

散々な目に遭う

いざ当日。土合橋から地獄の登りの始まりです。当時は地図の等高線から勾配を読み取るなどという、まともなことは当然行っておりません。土合橋から白毛門までのコースタイムは3時間半で、等高線の間隔の狭さから結構な激坂だというのが分かります。

今ならかなり気合を入れて登り始めたことと思いますが、当時は阿呆だったので「こんなはずじゃない。何かの間違いだ。」「何だ、白毛門って。」などと完全に八つ当たり。

ハードな激坂に加え、白毛門手前あたりから暴風雨に見舞われました。生まれて初めて斜め下から雨が降ってくるのを体感しました。

谷川岳はその地理的特徴から気候変化が激しいので天気には要注意という重要な情報は、「登り切ったらのんびり散歩」というお花畑的妄想に上書きされており、今思い返しても、準備の段で当日の天候を確認した記憶が一切ありません。何ということでしょう。

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引き返すという判断を下しても良かったと思いますが、山行を続行しました。理由は…分かりません。少なくとも現状を冷静に判断し、自分たちの体力と気力とを照らし合わせて下した決断とは思えません。恐ろしいことです。

ここから先はただ白い世界を耐え忍ぶ旅が続きました。「山、舐めてたな」と何度友達とつぶやいたことか。ようやく1日目の宿泊地である蓬ヒュッテに到着し、レンタルテントで一息つこうとしたら雨漏りしていて切なさに拍車がかかりました。

2日目は暴風は収まっていて晴れ間も拝めましたが、初日の疲労を抱えたままでの縦走は非常に堪えました。体は痛く、膝は笑い、友人の足はまめが潰れて血だらけでした。今思えば、よく遭難もせず、そして何より山を嫌いにならなかったと思います。

体力、知識、環境そして心構え、ありとあらゆる要素が谷川馬蹄形縦走に適していなかったと断言できる山行でした。

教訓

  • 調子に乗るな!
  • 天気をチェックしろ!
  • 地形もチェックしろ!
  • 縦走とは、細かなアップダウンの連続であって、台形の上を歩くことではない。

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