登山の防寒着は二つのシチュエーションに分けて考えるのが良いと思っています。
一つは行動中、もう一つは行動停止中です。行動中とは山を登っているもしくは下っている最中のことで、行動停止中とは、その日の目的地に到着し山小屋やテントで過ごしているときです。
なぜ、この二つを分けて考えるのが良いかというと、求められる防寒着のスペックが大きくことなるからです。
登山道具というとやたらと高価なイメージですが、山小屋やテントで過ごすときにはいわゆる「登山用」である必要はなく、わざわざ高価な道具を買いそろえる必要はありません。特に積雪期を除いた春から秋にかけてのそこまで寒くないシーズンにおいてはなおさらです。
山小屋やテントで過ごす用の防寒着を安価に揃えられますよ、というのが今回のお話。
登山に求められる防寒着とは?

行動中
行動中の防寒着に求められるのは、耐久性、雨風を防ぐ撥水性と耐風性、体の動きを阻害しない伸縮性、汗を外へ放出する透湿性などが上げられます。
もちろん防寒性も求められますが、行動中は体の発熱によって意外と暖かいことが多いので行動中はそこまでの防寒性は必要ありません。真冬でも天気が良く風がなければ汗かきますし。
もちろん、極寒地域や暴風凄まじい状況の場合は話が違います。ハイスペックな防寒着が必要となりますが、極寒地域にはあらかじめ行かなければ良いし、暴風を想定してハイスペック防寒着を着ていたら本当に必要な状況に遭遇するまでに汗だくになってそれこそ危険です。
ただし、手足先、耳、鼻などの末端部は別です。これらはしっかりとした防寒対策が必要です。
行動停止中
対して行動停止中、山小屋や特にテントで過ごしているときに求められるものは、防寒性が一番です。
その他のスペックは・・・
耐久性・・・いりません。寝相が超絶に悪いなら別ですが。
撥水性、耐風性・・・いりません。
伸縮性・・・睡眠を妨げるほど動きづらい衣類でなければ問題ありません。
透湿性・・・多少はあった方が良いかもしれませんが、一般的な衣類レベルで問題ありません。
つまり、暖かければ良しということです。登山道具とは携帯性、耐久性、透湿性、防寒性など様々な要求を満たしたハイスペック品だから高価になるのであって、防寒性だけが求められるなら一般の衣類で事足ります。要は何も高価なアウトドアブランドである必要は無いということです。
まとめると、行動中はそれなりのスペックのアウトドア用のウェアを揃える必要はありますが、極端に寒くなければ行動停止中は一般の衣類で十分ってことです。
もし、「テントの中で過ごす用として厚手のフリースを買おうかな」とか考えている方がおりましたら、防寒性さえクリアしていればユニクロでもしまむらでも問題無いので、ちょっと考え直してもよいかもです。
ちなみに、ダウンジャケットとフリースの機能についてまとめたページはこちら。
ひと通り揃えてもユニクロなら約2万円
それでは、具体的にどれくらいの価格で道具を揃えることができるでしょうか。ユニクロを例に調べてみました。結論から言うと、一式そろえて約2万円です。
一式とは何ぞや?ですが、
「インナーTシャツ」「フリース(薄手)」「フリース(厚手)」「ダウンジャケット」「タイツ」「パンツ」「ネックウォーマー」「ニットキャップ」「ソックス」「手袋」
以上の10点です。下から上までまさに一式です。
以上のアイテムは暖かさを重視し、ヒートテックで揃えました。具体的な商品と価格は以下の通り。なお記載している価格は2019年10月20日現在のものです。
ちなみに、黄色のマーカーのリンクをクリックするとユニクロのHPに飛びます。ただ残念なことにユニクロはアフィリエイトを展開していないため、リンク先で購入されても僕の収益にはなりません・・・
防寒着の中でも高額なのがダウンジャケット。ちなみに、一般のアウトドアブランドのダウンジャケット価格をまとめた記事はこちら。
■インナーTシャツ
ヒートテックエクストラウォームタートルネックT(9分袖・極暖)
価格:1,500円
■フリース(薄手)
ヒートテックストレッチフリースモックネックT(長袖)
価格:1,500円
■フリース(厚手)
ファーリーフリースフルジップジャケット(長袖)
価格:1,990円
■ダウンジャケット
ウルトラライトダウンジャケット
価格:5,900円
■タイツ
ヒートテックエクストラウォームタイツ(極暖・前開き)
価格:1,500円
■パンツ
ヒートテックウォームイージーパンツ
価格:3,990円
■ネックウォーマー
ヒートテックファーリーネックウォーマー
価格:990円
■ニットキャップ
ヒートテックニットキャップ
価格:990円
■ソックス
ヒートテックショートソックス
価格:590円
■手袋
ヒートテックニットグローブ
価格:990円
まとめ
以上の10点の合計は19,940円です。本格的なアウトドアブランドならこの数倍はするでしょう。冒頭でも書きましたが、春から秋にかけてそこまで寒くない時であれば、一般の衣類で十分対応可能です。
登山なので何となくアウトドアブランドの中から商品を選びがちですが、あくまで行動用ではなく山小屋やテントで過ごす用に限定するならユニクロでも十分です。
防寒着のご購入の際にはご参考に!
逆に、厳冬期で寒さに弱い方の場合はユニクロでは心許ないかもしれません。その場合、シュラフを充実させるのはもちろんとして、履くダウンもありかもです。