写真の失敗。画角いっぱいで撮りたがる。

写真の失敗。画角いっぱいで撮りたがる。

黒部五郎岳・切り取り

写真が上手い人とそうでない人との違い。一つに被写体の切り取り方があります。写真が上手い人は切り取るのか上手いです。

シーンの中のどこを写してどこを削るのかがわかっていて、写真が整理されています。逆に下手に人が整理した写真を撮ろうとすると、説明的になります。

今回は切り取るについて書いてみようと思います。なお、これから書くことは「上手い人が切り取り方を皆に指導する」のではなく、「シロウトが模索しながら切り取ってみた」です。シロウトによる気づきを自戒を込めて書いています。悪しからず。

そしてこの記事では「写真の下手な人は」としきりに連呼していますが、これは僕のことです。気分を害さないように。

下手な人の特徴1:広角で撮りたがる

下手な人は画角いっぱいに撮りたがります。例えば山の場合。山の雄大さ、広がり、奥行きといったスケール感といった要素のすべてを写真に収めようとして失敗します。

広いエリアを写真に納めようとすればするほど、個々の要素が小さくなって肉眼での迫力が失われてしまいます。そして撮られたものの要素が多ければ多いほど、散漫になり何が撮りたかったのかが謎な印象に残らない写真が出来上がります。

言い方を変えると、それでけ様々な要素を含んでいてなおかつ見る人が混乱しない整理された写真を撮るのはとても難しいと思います。つまり、広角写真は難しいのです。

写真の画角を計算するツールはこちら。

失敗例をご紹介します。これは北アルプスの三俣蓮華岳で撮った写真です。三俣蓮華岳は、鷲羽岳方面、黒部五郎岳方面、そして槍ヶ岳方面の三方向に登山道が延びている北アルプスの交通の要衝です。

三俣蓮華岳からは各名山を見渡すことができる眺望抜群なスポット。そして満を持して朝日を待ち構えて激写したのがこの写真です。

失敗例1
三俣蓮華岳

黄金に輝く草木と朝日の光線と遠くに見える槍ヶ岳を無理矢理一枚にねじ込んで画角いっぱいに撮影した結果、何が撮りたいのかよく分からなくなりました。

下手な人の特徴2:写真は二次元であることを忘れている

肉眼は3次元ですが写真は2次元なので奥行き情報が失われて立体感が無くなります。重なり合う木々は肉眼では立体に見えますが、写真だとをごちゃごちゃしてしまいます。

写真になることで立体感が失われてしまうこと、これを写真が下手な人は忘れています。

またまた失敗例。これは燕岳の合戦尾根です。本当は下り勾配で高度感があって木漏れ日溢れる綺麗な樹林帯でした。ですが、写真では高度感は無くなり、乱立する木々がごちゃごちゃしていて、これまた何が撮りたいのか分からない写真になってしまいました。この写真も先ほどと同じく、画角いっぱいにして撮ってしまった失敗です。

失敗例2
合戦尾根

繰り返しになりますが、画角が広ければ広いほどそこに映り込む要素が多くなり、それらを整理して撮る必要があります。何が撮りたいのかを明確にする意思とそれらを整理する力が問われるのだと思います。

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実践:明確な意思を持って切り取る!

上記の教訓を踏まえて、段階的に撮るべきものを明確にして画角を狭めていった写真が以下です。

今まで通りの撮り方

まずは今まで通り広角に撮ったもの。これは、屋久島の大和杉という樹齢3000年以上の大木です。それはそれは大きくて立派だったので、とにかく全体を写したいと思って撮ったのがこれ。
大和杉

あらためて写真で見ると正直、迫力に欠けます。比較となるものがないので、これでは大和杉の大きさがイマイチ伝わりません。

そもそも大和杉の何を撮りたかったのか。漫然とただ大和杉を撮りたかったのではなく、その迫力を写真に収めたいと思ったはずです。

切り取ってみる

全体を収めるのを諦めて、大和杉の迫力を切り取ることにします。分かりやすい比較対象があれば、その大きさを表現することができましたが、残念ながらなかったので、木の幹に着目しました。

その辺の木では見られない年を重ねた木肌の迫力を強調するために、大きな節になっているところと根っこにかけてを切り取りました。
大和杉2

確かに前の写真に比べると、迫力や存在感は増したように思います。ですが何となくありきたりというか中途半端ですね。

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撮りたいものをさらに明確にして切り取ってみる

木の大きさを表現することは諦めて、その代わりに木肌に着目しました。先ほどは木肌の掘り下げが浅く中途半端な写真になってしまったので、さらに木肌の存在感が現れるように大胆に切り取ってみました。
大和杉3

いかがでしょうか。木肌の皮は細長い曲がった板を何枚も貼り合わせて形成されているようです。亀裂が入り剥がれ掛けているものもありますし、苔が生えている皮もあります。大和杉を根城に生きる生き物もいそうです。

大和杉自体が大和杉という一つの世界のようです。・・・大げさでしょうか。

まあ、とにかく、木肌に着目して大胆に切り取ることで、大和杉の存在感を表現できたのではないかと思っています。

まとめ

まとめです。やたらと画角を広げて撮りたがって失敗してしまうことに対する処方箋は以下3点に集約されると思います。中でも二つ目の「何を撮りたいのか明確にする。」が一番のポイントではないでしょうか。

  • 広い画角で撮るのは難しいと心得る。
  • 何を撮りたいのか明確にする。(欲張らない)
  • 2次元だとどう見えるかを意識する。

一方で、シチュエーションによっては一番下の写真が良いとは言えません。例えば、観光パンフレット用の写真に使うなら、1枚目か2枚目の写真のそばに人が立ってその大きさを表現する方が良いでしょう。

いずれにしても、「なぜこれを撮ろうと思ったのか、どういう狙いがあるのか」を明確に語れるよう日頃から訓練することで、写真は上達すると思っています。

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