フルサイズ+クロップ+ズームレンズ。これが登山に適したカメラ選定の解だ!

フルサイズ+クロップ+ズームレンズ。これが登山に適したカメラ選定の解だ!

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登山に適したカメラを選ぶのは難しいです。本体だけでもフルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズといったセンサーサイズの違いがあって、そこに無数の交換レンズが組み合わさります。その中で最適解を求めようとすると至難です。

今回はその至難の問いに一つの回答を提示したいと思います。タイトルの通り、フルサイズ+ズームレンズなのですが。ただそれは条件付きです。

条件を決める

えーと、ズームレンズは持っていくとして、やっぱ高品質で撮りたいので単焦点も。品質考えるならやっぱフルサイズでしょ。でも雷鳥とかいたら望遠が強くて連写性能が良いAPS-Cも持って行くか。高山植物も撮りたいからマクロも・・・。

カメラ、レンズ、付帯機器の何を山に持って行こうか悩んでしまうことがあります。その原因は、条件が定まっていないためです。

どのような撮影スタイルなのか、何を撮りたいのか、体力的にどれほどの重量なら許容できるのか、といった条件を明確にしておく必要があります。

どのような撮影スタイルなのか、何が撮りたいのか

まずは撮影スタイルです。プロのカメラマンのように写真を撮ることが目的で山に登っているのか、それとも登山のついでに撮影しているのか。

撮影目的なら、どんな写真を撮りたいのかを掘り下げて考えてみれば必要な機材はおのずと決まってくると思います。

ただ、そのような方はどちらかと言うと少数派で、登山メインの人の方が多いと思われますので、登山のついでに撮影するというスタイルを前提として考えて行きます。

登山のついでに撮影する場合、山行行程ありきです。その行程が許す範囲で撮影することになりますので、過度な荷物は適していません。

歩いてみてそこにあるものを撮るという、言わば行き当たりばったりですので、何が撮りたくなるかが分かりません。そして、どのようなシチュエーションで撮りたくなるかも分かりません。

小雨の中のチングルマの群生かもしれないし、極寒の中で大きく発達した海老のしっぽかもしれないし、富士山にかかる笠雲かもしれません。

寒暖差、多湿、衝撃といった外的要因に耐えうるカメラという意味では、堅牢性に優れた中級機以上をオススメします。

そして、様々に変化する撮影対象に対応することを考えると、やはりズームレンズが無難です。


・どのような撮影スタイルなのか
→登山メインで、道中成り行きで撮影するスタイル。
・何が撮りたいのか
→明確には決まっていない。成り行き。

以上の条件の場合、
 堅牢性に優れた中級機以上のボディ+ズームレンズが妥当

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体力的な許容重量は?

堅牢性に優れた中級機以上のボディ+ズームレンズが妥当だとして、それが体力的に許容できるかを明確にしておく必要があります。これは、本人にしか分からないことなので、僕からは何とも言えません。

重量的にはざっくり以下ような感じです。

①.一眼レフフルサイズ > ②.一眼レフAPS-C > ③.ミラーレス一眼フルサイズ

APS-Cよりフルサイズをオススメする理由

重量(と費用)の問題がクリアされるなら、僕が薦めたいのは①か③。要はフルサイズです。

フルサイズの方が高品質、という信仰にも似た漠然とした思いもありますが、もっと現実的な理由としてフルサイズはAPS-Cの代わりになるが、逆は無理だからです。

フルサイズとAPS-Cの大きな違いは、重量と画角です。重量の問題はクリアしているという前提ですので割愛するとして。画角の違いとは、APS-Cの方が画角が狭くなる分、望遠に強いと言うことができます。

フルサイズの焦点距離が120mmのとき、APS-Cだと1.5倍の180mm相当になります。

なら、一概にどちらが良いと言えないのでは?と思うかもしれません。望遠が大事と考えるならAPS-Cにすべきでは?と。が、そうではありません。フルサイズ機でもAPS-Cと同じ焦点距離を得ることができます。

クロップ機能

ニコンにはクロップ機能というものがあります。フルサイズよりAPS-Cのイメージセンサーの方が小さいので、APS-Cのイメージセンサー = フルサイズの一部のイメージセンサーと言えます。

イメージセンサーについての解説はこちら。

要は、カメラ本体とレンズのうち、APS-Cサイズに該当する中央部だけを使って撮影します。これをクロップ撮影と呼びます。

ニコンのフルサイズ機、24-120mmのズームレンズにて、APS-C換算およびクロップ撮影した場合の焦点距離の範囲を図にしてみました。

APS-C換算すると、焦点距離の範囲は36-180mmとなります。この場合、120mmまでは通常モードで撮影し、それ以上の焦点距離が必要な場合にクロップ撮影に切り替えることで、180mmまで対応することができます。
クロップ撮影・焦点距離
画角を簡単に求めることができるツールはこちら。

クロップ撮影の品質(ディスプレイ)

クロップ撮影により、焦点距離を拡張できることがわかりました。ですが、その品質はどうでしょうか?クロップ撮影により品質が劣化するなら使用ははばかられます。

結論から言うと、品質は問題ありません。クロップ撮影はフルサイズのイメージセンサーおよびレンズの中央部のみ使用する撮影方法です。よって、トリミングしているとも言えます。

トリミングしたときに問題となるのが、画像サイズが小さくなることで、フルサイズと同じサイズに拡大して見たときに画像が荒くなるのでは?ということです。

原理的には画像が粗くなるのは間違い無いのですが、もともと普通に撮影した写真はディスプレイで見る際にかなり縮小して表示されています。

例えば、ニコンD750で画質FINEで撮影した大阪城の写真。
大阪城

これを27インチのディスプレイに100%表示するとこうなります。
大阪城100%表示
この写真から、いかに縮小していたかが分かると思います。ちなみに、大阪城の写真を27インチディスプレイで全体を最大表示すると、倍率は約25%でした。それだけ余裕がある状態なので、ディスプレイで見る分にはクロップ撮影しても品質的に問題ありません。

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クロップ撮影の品質(印刷)

次にクロップ撮影した写真をプリントアウトした場合の品質はどうでしょうか?考え方としては、クロップ撮影時の画素数が、印刷時に一般的に必要とされる画素数を上回っていたら問題無いと言えるかと思います。

クロップ撮影時の画素数

例によってD750ですと、画素数は2432万画素。これをクロップ撮影すると、イメージセンサーサイズがAPS-Cサイズ相当になるので、サイズが約45%になります。2432 ✕ 0.45 = 1080万画素がクロップ撮影の画素数ということになります。

対して印刷時に必要とされる画素数ですが、これは印刷サイズによって異なります。B5よりA3の方が必要な画素数が多いのは当然です。

代表して、A4とA3サイズ時の必要な画素数を求めてみました。印刷時の画質を決める要素にdpiがあります。1インチ(2.54cm)にいくつ画素があるかを示す値で、これが大きい方が画素数が多く、高精細になります。

一般的には300dpiあれば十分で、商業印刷などでは350dpiを使うこともあるようです。

A4印刷時の必要な画素数
A4

A3印刷時の必要な画素数
A3

上記表より、「クロップ撮影した写真をプリントアウトした場合、A4は300dpiならクロップ撮影でも問題無し。A3は厳しい。」と言えます。

「A4以上でプリントアウトすることがどれほどあるか?」がポイントですが、正直それほど無いと思います。なので結論としては、「プリントアウトした場合でも、品質的にクロップ撮影は問題無い。」と言えそうです。

結論:山に持参するのは、フルサイズ+クロップ+ズームレンズがベスト

以上のまとめです。

  • 条件を明確にする。→登山メインで成り行きで撮影するスタイルという前提。
  • 堅牢性に優れた中級機以上が妥当
  • 撮る対象が明確でないなら、ズームレンズが無難
  • フルサイズ+クロップでAPS-Cの代用になるのでフルサイズが良い

以上を満たすカメラと言えば、誠に恐縮かつ手前味噌ではありますが、僕が愛用しているニコンD750+24-120mmの組み合わせです。

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