伯耆大山は誤解されやすい山です。標高1729mで、百名山の中では決して高い山ではありません。日帰りで登ることができ、ピクニック気分で簡単に登れる山という印象があります。
が、大山のその山容をみれば「そーでもない」ということが分かります。大山の実態は北アルプスかと言わんばかりの険峻な岩山です。
そこで出鼻をくじかれて登り始めると、今度は階段という難敵が登場します。階段が多い山ではなく階段しかない山です。標高差900mをひたすら階段。
そんな大山の雪山登山のご紹介です。個人的には、天候が安定していることが前提なら、夏山より雪山の方が登りやすい気がします。繰り返しますが天候が安定していれば、です。
大山・夏山登山口へのアクセス
登山口である夏山登山口には米子駅からのアクセスとなります。岡山からなら電車かバス、それ以外ならバスが便利です。
遠方からの場合、夜行バスで米子まで移動して朝1番のバスで大山寺にアクセスすることを考えますが、米子駅からの朝イチのバスは7時20分発。大阪からの夜行バスは4時45分に着きます・・・。2時間半待つかタクシーを使うかは悩ましいところです。

米子駅から大山寺までバスの所要時間は約50分。バスの時刻表などの詳細は日本交通のHP(観光道路経由 本宮・大山線)をご確認下さい。
なお、以下の季節限定で大山るーぷバスというバスが追加運行します。
大山るーぷバスの詳細情報は鳥取県のHPから
4月27日~5月6日
7月下旬~8月中旬
10月19日~11月10日
7月6日~11月24日の土日祝
登山口の駐車場
登山口の近くには3つの駐車場があります(もっとあるかも)。特に登山口直近の南光河原駐車場と下山駐車場はすぐいっぱいになるのでご注意を。
もう一つの登山口・大山寺
今回は夏山登山口から登るルートをご紹介しましたが、大山寺から登るルートもあります。茶色が夏山登山口、青が大山寺の裏から登るルートです。
迂回するようなかたちになるので往復で1時間ちょっとよけいに時間がかかります。
大山寺の観光もできますし、後で書きますが、このルートの途中に温泉もあるので、下山時に歩くのが良いかもです。

大山寺までの登りが急。

ルート図
今回のルートは夏山登山道からストレートに1709mの弥山まで登り、そのまま元来た道を下るルートです。道中に迷うところはなく、危険な箇所もありません。
その意味では初心者でも歩けますが、ただ終始続く階段が体力的にキツいです。そして当然ながら下りも階段づくしです。しっかり踏ん張って下りましょう。
コースタイム
コースタイムは往復で5時間10分。日帰り登山としてもそれほど長くはないかと思います。ただ、階段で体力が削られると余計に時間がかかるかもです。
夏山登山口-(1:40)→ 六合目避難小屋-(1:20)→ 大山山頂-(1:00)→ 六合目避難小屋 -(1:10)→ 夏山登山口
体力的難易度・ルート定数
夏山登山口からピストンで登る大山(弥山)のルート定数は20.4。数値的には低めです。この数値だけ見ると誰でも簡単に登れそうですがあなどる無かれ。とにかく階段です。階段が多いというレベルではなく、階段しかありません。これがしんどいです。
むしろ冬の方が登り安いかもしれません。あくまで天候が安定していることが大前提ですが。大山は冬も登山者が多いのでトレースが期待できます。しっかりめのアイゼンがあれば歩幅が制限されない分、階段よりも歩きやすいです。
ちなみに、大山と同様の体力的難易度の山は瑞牆山荘から登る瑞牆山(ルート定数19.1)です。

大山登山におすすめサプリ
大山登山には、9割以上のアスリートが疲労回復に効果ありと答えたアミノバイタルゴールドがおすすめです。僕自身、これを登山中に飲んだら筋肉痛が軽くなって驚いています。
アミノバイタルゴールドついてはこちらで紹介しています。
おすすめ行動食・えいようかん

登山中の体力維持にはこまめな栄養補給が欠かせません。特に必要とする栄養素はエネルギーに変わりやすい糖質。
糖質を多く含み、行動中も食べやすく何より美味しいものという意味では、えいようかんを推します。
単純な100gあたりの糖質量であれば、飴の方が多いのですが、飴を100g食べるのはけっこう大変ですしかさばります。その点、えいようかんはコンパクトで◎。
「えいようかんなんて知らん」という方も多いかもしれませんが、試しに食べてみて下さい。美味いです!
ちなみに、以下のページでおすすめの行動食10選をご紹介しています。
大山山頂の気温
大山山頂の月ごとの平均気温、最高気温、最低気温をまとめました。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最高 | -5.2 | -3.9 | 1.1 | 8 | 12.5 | 15.1 | 19.1 | 19.7 | 15 | 10.1 | 4.7 | -1.6 |
平均 | -7.8 | -7.4 | -3.8 | 2.3 | 7.2 | 10.9 | 14.9 | 15.4 | 11.4 | 5.3 | -0.2 | -4.9 |
最低 | -10.7 | -10.4 | -8.5 | -3.9 | 0.7 | 6.3 | 11.7 | 11.3 | 7.1 | 0.4 | -4.1 | -8.2 |
山頂(弥山)の標高は1709mで、それほど高くありません。単純な標高の低さと西日本に位置することから一年を通して山頂の気温はそこまで低くなりません。
ですがこれが登り易いことを意味しているかといえばそうでもないです。7月8月は延々と続く階段で汗だくです。そして冬はと言うと、多量の降雪があります。とにかく積雪期に登る際は天候のチェックを怠らずに。
山頂直下に大山キャラボクが一面に広がる場所がありますが、ホワイトアウトしていたら確実に道を見失います。

ルートガイド
夏山登山口から登山開始です。12月下旬に登ったので写真は雪山です。登山口から積雪ありです。登山者はけっこういました。
左手には荒々しい岩肌が。
6合目避難小屋近くまではは樹林帯でした。その先は景色が開けて積雪量も増。風も強くなってきましたが綺麗^^
なだらかになってきました。山頂は近いです。このときは木道が認識できたのでその上を歩けましたが、もっと積雪が多いと見失っていたかもしれません。
さらに歩くと晴れ間が。青い空と白い雪と赤いレインウェア。原色が眩しいです。

登山口を出発して3時間程度で山頂です。天候が安定していれば夏山の階段より雪山の方が歩きやすいかもしれません。山頂の避難小屋が雪でえらいことになってました。
冬でも小屋は解放されているので中に入れば風はしのげます。

山頂からは崩落激しく通行負荷の剣ヶ峰が。

帰りは元来た道を下ります。下りも階段より雪の方が膝にやさしくて下り易いかもです。景色が開けていると、見下ろしながら下るのも楽しいですな。
山小屋・テント場情報
大山には山小屋はありません。ふもとに二つのキャンプ場があります。テント場ではなくキャンプ場なので登山者以外のお客も多いです。
大山は日帰りで登れる山ですが、あえてテント泊するのものんびりで良いかもです。
山小屋/テント場 | 収容人数 | テント張 | 風呂 | 営業開始 | 営業終了 |
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下山キャンプ場 | 150 | 7月中旬 | 8月下旬 | ||
豪円山キャンプ場 | 100以上? | 7月中旬 | 8月下旬 |
日帰り温泉・豪円湯院
登山口から近いところに豪円湯院という温泉があります。露天風呂もある綺麗な温泉です。大人1名で380円の良心的なお値段。登山の後にぜひ立ち寄ってみて下さい。