被写界深度(ボケ量)を計算できるツール【F値・距離別】

被写界深度(ボケ量)を計算できるツール【F値・距離別】


被写界深度。くつのヤモリ
一眼カメラとコンデジやスマホと決定的に異なる点は写真のボケ味です。コンデジやスマホはむしろボケないことを得意とするため、イメージ全体にピントが合った画像になります。

それに対して一眼カメラは焦点距離や絞り、被写体の距離の組み合わせによって様々にボケを演出することができます。

ボケをうまく操ることで何でも無いはずのものが印象的な写真へと変身します。ボケを制するものが写真を制す、かどうかは知りませんが、そのスキルは写真を撮る者にとっては必須と言えます。

今回はそのボケを決定づける被写界深度の話。

被写界深度とは?

被写界深度とは、ピントが最も合っている位置を基準としてピントが合ったと見なせる前後の幅(奥行き)のことです。

本当の意味でピントが合っている位置とは幅(奥行き)のない面なので、その前後は厳密にはピントが合っていないのですが、人の識別能力を考慮してピントが合っているとみなせる範囲のことを被写界深度と呼びます。

以下の図のように、動物の顔にピントを合わせて写真を撮るとき、顔の位置を基準としてその前後のピントが合っていると見なせる幅が狭いことを被写界深度が浅い、広いことを被写界深度が深いと表現します。

被写界深度・浅い
被写界深度・深い

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被写界深度を決定する条件

被写界深度は主に以下の4つの条件で変化します。これらを理解しておくことで、ボケを自在に操ることができるようになります。

  1. 被写体までの距離:被写体が近いほど被写界深度は浅くなります。
  2. 焦点距離:カメラの焦点距離が長いほど被写界深度は浅くなります。
  3. F値:カメラのF値(絞り値)が小さいほど被写界深度は浅くなります。
  4. 許容錯乱円径:許容錯乱円が小さいほど被写界深度は浅くなります。

被写界深度の計算式

被写界深度を決定する条件はわかりました。しかし、これらのパラメータをどう設定すればどれくらい被写界深度が変化するのかが理解できていなければ、ボケをコントロールすることはできません。

経験を重ねることで感覚的に理解することはできるかと思います。しかし、あらかじめパラメータに対する被写界深度を知っておいた方が有益なのは間違いありません。

そして被写界深度は、被写体までの距離、焦点距離、F値、許容錯乱円の値から、以下の計算式によって求めることができます。

$$前方被写界深度 = \frac{許容錯乱円 ✕ F値 ✕ 被写体距離^2 }{焦点距離^2 + 許容錯乱円 ✕ F値 ✕ 被写体距離}$$

$$後方被写界深度 = \frac{許容錯乱円 ✕ F値 ✕ 被写体距離^2 }{焦点距離^2 - 許容錯乱円 ✕ F値 ✕ 被写体距離}$$

$$被写界深度 = 前方被写界深度 + 後方被写界深度$$

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被写界深度計算表

と言う訳で、焦点距離を入力すると、そのときのF値および被写体までの距離に対する被写界深度が計算するツールを作成しました。

被写体までの距離の単位は(m)、計算結果の被写界深度は(cm)で表記しています。なお、「NaN」と表示された箇所は被写界深度が無限であることを表します。

セル内をクリックすると、表の下部に前方被写界深度、後方被写界深度、被写界深度が表示されます。

※補足※

  • 焦点距離はカメラのセンサーサイズに準じた値を入力して下さい。フルサイズに換算する必要はありません。
  • 被写界深度には、厳密な意味でピントが合った位置を基準として、その前方のピント幅を表す前方被写界深度と後方を表す後方被写界深度の二つがあり、その前後の被写界深度の合計値が一般的な被写界深度となります。
  • 許容錯乱円径の説明は割愛しますが、イメージセンサがフルサイズ(24 mm×36 mm)ときの許容錯乱円径は0.026~0.03、APS-Cの場合は0.017~0.020、マイクロフォーサーズだと0.015程度なようです。
  • 被写界深度(ボケ)はカメラのイメージセンサーサイズによっても変わります。以下のページで詳細にまとめています。言葉による説明だけでなくツールを用いて様々な条件下での被写界深度を計算することができます。

    ボケを操るのは難しい!

    僕はニコンのD750と24-120mmのレンズを持って山に行くことが多いですが、ボケ熱に取り憑かれて焦点距離120mm、解放F値4で高山植物を撮影してピントをことごとく外した苦い経験があります。

    計算表によると、この設定で被写体までの距離が50cmのときの被写界深度は0.4cmです。手持ちでラフに撮影して狙ったものが簡単に撮れる被写界深度ではありません。無知とは恐ろしい。

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