前回は食品に含まれる栄養素について紹介しました。今回は、具体的にどのような食品にどのような栄養価がどの程度含まれるのかについて紹介します。
栄養価一覧表
スーパーで販売している主に行動食として持参できそうな食品40品について、各栄養素を調べて表にしてみました。
パッケージに表示されている栄養価表示は重さが統一されていないので、ここでは100g当たりで計算しています。「エネ」はエネルギー量を表しており、「糖質」=「炭水化物」として解釈してください。
携帯性は僕の主観です。ウィダーインゼリーやグミなどのキャップやができるもの、またはアメなどの小さいものは携帯性が良いと評価して★3つとしています。チョコも1つ1つは小さいですが、溶けやすい点を考慮して★2つにしました。ポテトチップスのようなスナックはかさばりやすいため★を1つにしています。
各栄養価を多く含む上位5品には黄色でマーキングしています。
ちなみに40品の各要素の平均値は以下の通りでした。
エネルギー:394.8 kcal
糖質 :48.7 g
脂質 :16.7 g
蛋白質 :10.7 g
塩分 :1.3 g
品目 | 品名 | エネ [ kcal ] | 糖質 [ g ] | 脂質 [ g ] | たんぱく質 [ g ] | 食塩 [ g ] | 携帯性 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | あめ | 得濃ミルク8.2 | 419 | 81.6 | 10.3 | 2.6 | 0.5 | ★★★ |
2 | あめ | キュキュ 黒ミルク | 390.8 | 85.7 | 6.9 | 1.6 | 0.3 | ★★★ |
3 | あめ | 三矢サイダーキャンディ | 390.8 | 96.2 | 0.6 | 0 | 1.5 | ★★★ |
4 | いか | あたりめ | 325 | 0.6 | 3.8 | 68.1 | 4.1 | ★★ |
5 | いわし | そのままおいしい にぼし | 310 | 4.4 | 3.2 | 65.9 | 3.6 | ★★ |
6 | クッキー | オレオ | 500 | 68.7 | 23.4 | 5.6 | 0.9 | ★★ |
7 | クッキー | カントリーマアム | 480 | 63 | 23 | 5 | 0.5 | ★★ |
8 | グミ | 果汁グミ(ぶどう) | 329.4 | 76.3 | 0 | 6.1 | 0.1 | ★★★ |
9 | グミ | つぶグミソーダ | 352.9 | 84.1 | 0 | 4.2 | 0.3 | ★★★ |
10 | クラッカー | リッツ チーズサンド | 550.6 | 52.8 | 34.3 | 7.9 | 1.7 | ★★ |
11 | サラミ | 粗挽きサラミ | 440.9 | 8.2 | 33.6 | 26.4 | 3.7 | ★★ |
12 | スナック | 柿の種 | 470 | 64.9 | 17.4 | 13.4 | 1.2 | ★★ |
13 | スナック | マイク・ポップコーン | 492.7 | 50.7 | 26.2 | 8.5 | 2.2 | ★ |
14 | スナック | じゃがりこ(サラダ) | 496.7 | 63.3 | 24 | 6.8 | 1.3 | ★ |
15 | スナック | かっぱえびせん | 494.4 | 67.4 | 22.1 | 6.3 | 2.3 | ★ |
16 | スナック | ポテトチップス | 560 | 53.8 | 36 | 5.2 | 1 | ★ |
17 | せんべい | 角餅(しょうゆ) | 366 | 9.9 | 0.9 | 9.9 | 3 | ★★ |
18 | せんべい | 雪の宿 | 460 | 75.7 | 15.4 | 4.6 | 1.5 | ★★ |
19 | ソーセージ | ソーセージ | 262.1 | 9.3 | 19 | 13.8 | 2.4 | ★ |
20 | チーズ | チーズ鱈 | 325 | 11 | 20.5 | 24 | 3.4 | ★★ |
21 | チーズ | カマンベールチーズ鱈 | 328.6 | 12.4 | 21 | 22.9 | 3.6 | ★★ |
22 | チーズ | ナチュラルチーズ | 327.8 | 1.1 | 26.1 | 20.6 | 2.6 | ★★ |
23 | チョコ | アーモンドチョコレート | 572.1 | 46.9 | 38.3 | 10.1 | 0.1 | ★★ |
24 | チョコ | チョコレート効果カカオ72% | 560 | 34 | 42 | 10 | 0 | ★★ |
25 | チョコ | ミルクチョコレート | 558 | 55.4 | 34.8 | 7.8 | 0.2 | ★★ |
26 | チョコ | 白いダース | 611.1 | 50 | 41.7 | 7.5 | 0.2 | ★★ |
27 | チョコ | チョコパイ | 506.3 | 52.5 | 30.3 | 5.6 | 0.4 | ★★ |
28 | ドライフルーツ | ナッツ&フルーツ | 342.4 | 65.6 | 14.9 | 5.8 | 0.4 | ★★★ |
29 | ドライフルーツ | パイナップル | 419.3 | 85.1 | 0.2 | 0 | 0.5 | ★★★ |
30 | どら焼き | 和三盆糖 どら焼き | 287.1 | 60.2 | 2.3 | 5.6 | 0.2 | ★★ |
31 | ナッツ | 素焼きミックスナッツ | 631.8 | 15.3 | 53.3 | 18.6 | 0 | ★★ |
32 | ハチミツ | ハチミツ | 330 | 82 | 0 | 0 | 0 | ★★ |
33 | パン | メロンパン | 415 | 65.5 | 13.3 | 8.4 | 0.5 | ★★ |
34 | パン | 高級ジャムパン | 281 | 54.4 | 3.9 | 7 | 0.5 | ★★ |
35 | ようかん | えいようかん | 285 | 67.8 | 0.2 | 3.2 | 0 | ★★★ |
36 | わかめ | うす塩味 茎わかめ | 54.1 | 17.8 | 0 | 2.3 | 6.9 | ★★ |
37 | 栄養補給食 | シリアルブラックバー | 467.6 | 54.1 | 27 | 6.5 | 0.5 | ★★★ |
38 | 栄養補給食 | 朝バナナ | 107.8 | 26.4 | 0 | 0.6 | 0 | ★★★ |
39 | 栄養補給食 | ウィダーインゼリー | 100 | 25 | 0 | 0 | 0.1 | ★★★ |
40 | 栄養補給食 | CCD | 191.9 | 48.1 | 0 | 0 | 0.3 | ★★★ |
※「エネ」はエネルギーの略で単位はkcal、「糖質」「脂質」「蛋白質」「塩分」の単位はg、携帯性は単位はありません。
オススメ行動食とは!?
エネルギー、脂質
まずはエネルギーの項目で並び替えしてみて下さい。「ナッツ」や「チョコ」類が上位を占める結果になりました。これらの食品は脂質の値も高いことから、脂質を中心に補給するための行動食としては最適だと言えそうです。
特にチョコはお手軽に食べることができるのでおススメです。ズボンや上着のポケットの入れておいて、歩きながら食べても良いと思います。ただし、チョコは溶けやすいのでその点だけは注意。僕は原型をとどめていないチョコを食べるはめになったことが何度もあります。
なにげにポテトチップスがエネルギー順位では4位でした。中々優れた食べ物なんですね。行動食としては持ち運びし辛くかさばるので適していないかもしれませんが、ザックに余裕があれば持参しても良いかもです。
糖質
次に糖質でソートすると、あめ2つが上位を占めました。携帯性も良く、行動食としてはもはや必携と言ってよいでしょう。あめに次いで高かったのがドライフルーツ(パイナップル)でした。
あめばかり食べ続けるのもあきてしまうので、別の糖質源としてドライフルーツも持参するのがおススメです。また、グミ(4位と7位)もなかなか値が高いことから糖質源としては有効です。
蛋白質、塩分
この2栄養素も関連があります。蛋白質で並び替えすると、蛋白質が高い食品はだいたい塩分も多く含んでいます。上位で共通するのはやはり動物性の食品ということです。
特にあたりめとにぼしの蛋白質の高さは突出しています。この2品は僕はいつも持参していて、テントの中で本を読みながら食べるのが楽しみです。^ ^
僕が山によく持参する行動食を以下に栄養価つきで紹介しています。
まとめ
総合的に見ると、塩分以外の要素が高かったチョコが非常におススメと言えそうです。そこに糖質に特化したあめ、この2つは行動食として必携でしょう。
ただし注意点として、今回の比較では食べる量は考慮していません。チョコもアメもいわゆる「腹にたまる」ものではないので、ある程度まとまった量を食べるにはあまり適していない食品です。よって、満腹中枢を刺激するような食品も持参したほうが良いと思います。
栄養価も高めでお腹も満たせる食品としては、ミックスナッツ、チョコパイ、オレオあたりでしょうか。満腹感だけならパンが良さそうですが、栄養価は思ったほど高くありませんでした(特にジャムパン)。
また、栄養補給のために作られたはずのウィダーインゼリーなどの栄養補給食品は意外と栄養価が高くない結果になりました。これについては、また後日、書きたいと思います。
糖質、脂質、蛋白質、塩分、そして満腹感の全てをまんべんなく多く含み、なおかつ携帯性もよい食品はありません。つまり、ひとつの食品ですべての要素をまかなうのは困難ですので、様々な食品を組み合わせて補給していくことが必要です。