レタッチのテクニックよりライティングが重要!という話

レタッチのテクニックよりライティングが重要!という話

照明上

撮影後のレタッチ(加工)って大事だと思う今日この頃。僕は基本的にニコンのCapture NX-Dを使用していますが、PhotoshopやLightroomを使えばやれることが増えてさらに表現の幅は広がります。

撮影・レタッチ(加工)の2つの工程の中で、実は撮影は対して重要ではなくて、レタッチ(加工)の善し悪しが最終的なクオリティを左右するではないかと思ったたりもします。

否!今回はそんな自分の安易な思いつきを否定するための記事です。如何に撮影時のクオリティが大事かということを書きたいと思います。撮影時の何を大事とするかは様々な切り口がありますが、今回は「光」。

ライティング環境が整っていなければ、後からのレタッチ(加工)にも限界があるということを実例を交えてご紹介します。

レタッチ(加工)で何ができるのか

そもそもレタッチ(加工)で何ができるのかのおさらいから。使うソフトによってできることは様々ですが、レタッチでできることを一言で言うと「彩度・色相・明度の調整」です。基本的にはそれだけ。

Captre NX-Dを使った彩度・明度・コントラストの調整方法はこちら。

例えばコントラスト。コントラストを強めると彩度はより鮮やかに、明るいところはより明るく、暗いところはより暗くなります。Lightroomなどに搭載されているかすみ除去という処理はその機能が無くても画像処理ソフトに標準的に搭載されている機能で再現可能です。

それではいったいレタッチ(加工)で何ができないのか。画像編集ソフトは一定のルールに従って画素の彩度・色相・明度を「強調・単純な置換」することは得意です。「コントラスト=強調」、「ホワイトバランス=置換」、「かすみ除去=強調、置換」などなど。

逆に、「強調・単純な置換」とは言いがたい処理は困難です。例えば西日を強調してより赤くすることはできますが、朝日にして太陽の位置を変えることはできません。

つまり、ライティングの強弱はレタッチ(加工)でコントロールできますが、ライティングの方向はコントロールできません。

スポンサーリンク

実例

ライティングの強弱はレタッチ(加工)でコントロールできるが、方向はできないことの実例をご紹介します。ある照明下で撮影した人物(石膏像)に対して、様々にレタッチしてみます。それと、照明の方向を変えた写真を見比べてみましょう。

撮影環境は以下の通りです。室内に石膏像を置き、背景に白い板を背負わせています。オリジナルではスタンド照明は無しです。
ライティング

■オリジナル(スタンド照明無し)
オリジナル
まずはオリジナルの写真。上記撮影環境で、スタンド照明無しのものです。この画像をベースに使用するパラメータを変えてレタッチを3パターン行ってみました。

レタッチ1:オリジナル → コントラスト+100
コントラスト100

レタッチ2:オリジナル → D-ライティング HS、明るさ-48
dライティング・明るさ

D-ライティング HSについてはこちら。

レタッチ3:オリジナル → カラーコントロールポイント
コントロールポイント

レタッチ1は全体的にコントラストを強めたもの。レタッチ2はD-ライティング HSを用いてダイナミックレンジを最大にまで広げました。かなり明暗が強調されています。レタッチ3はカラーコントロールポイントを用いて、向かって右側のシャドー部のみをより暗くしました。

レタッチ1,2は写真全体に対して一様に処理するものですが、カラーコントロールポイントを使えば局所的に明暗の強弱を変えることができます。照明が固定でもレタッチによって明暗の調子を調整することで印象を変えることができます。

レタッチに関しては個人のスキルによるところが大きかったりもしますので、上の例がレタッチのバリエーションを示した例として適しているかは一抹の疑問もあります。「はん!俺はもっとうまくレタッチできるぜ!」って方もいるかと思いますが、まあ、悪しからずです。

以上が、ライティングを固定(無し)の場合のレタッチのバリエーションです。これに対して、ライティングの方向を変えることで写真がどのように変化するのかご紹介します。

スポンサーリンク

ライティングの方向を変える

次にライティングの方向のみを変えてみます。レタッチは一切無しです。
ライティング1:右
照明右

ライティング2:上
照明上

ライティング3:下
照明下

ライティング4:後ろ
照明後ろ

ライティングの方向を右・上・下・後ろの4パターンで撮影してみました。いかがでしょうか。レタッチ無しでもライティングが変わることで劇的に雰囲気が変わりますね。照明固定でのレタッチの場合よりもバリエーションははるかに豊かです。

これら4パターンをレタッチで再現するのは非常に困難です。なので、とりあえずルーズに撮影しておいて、後でレタッチ(加工)すればOKってことはなく、撮影段階でしっかりとライティングを意識して撮影する必要があると言うことです。

今回の石膏像の撮影のように自由にライティングを設定できるわけではありません。風景など屋外での撮影では運です。それでも良い写真を撮りたいと思うならライティングにはこだわるべきです。光を制する者は写真を制す、です。
光

まとめ

今回のまとめです。

  • レタッチ(加工)で彩度・色相・明度を「強調・単純な置換」することは可能。
  • ライティング固定でレタッチするよりも、レタッチ固定でライティングを変更した方がバリエーション豊か。
  • 撮影段階でしっかりとしたライティングを意識すべし。

カメラの基礎知識カテゴリの最新記事