写真プリントのためのdpiと画素数の話

写真プリントのためのdpiと画素数の話

プリント

フィルムカメラの時代は現像も含めて撮影でした。小さい頃は街の写真屋さんに現像してもらったものですが、デジタル時代になり、現像せずとも画面で見られるようになり、わざわざプリントアウトする機会は激減しました。

それでも、印刷して綺麗に飾られた写真の存在感は今までも変わりません。今回は写真を綺麗にプリントするために押さえておくべき画素数とdpiについてのお話。

基本的なところから書いていくので、とりあえず結論が知りたい方は一番下まで移動下さい。

用紙のサイズとカメラの画素数

例えばD750で撮影したとき、A4サイズで綺麗に印刷することができるのか?を考えてみましょう。

ざっくりとした考え方は

  • カメラも印刷物も、小さな点の集まりで画像を形成している。
  • カメラも印刷物も、点が多い方が画像が細かく再現できる。(限界あり)
  • カメラ(デジタル)上の点の数が、綺麗に印刷するために必要な点の数より多ければ問題無い

と言えます。

まず、カメラの点の数ですが、これは画素数と呼ばれるものです。画素数はカメラの機種ごとに決まっていて固定値です。D750であれば2432万画素となっています。

レンズを通過した光はイメージセンサーと呼ばれるプレート上で電気信号に変換されます。

イメージセンサーは小さなセルの集合体で、このセルの数が画素数です。D750はセルが2432万個並んでいるということです。
イメージセンサー

絵を点で描くとき、点が細かいほど綺麗に描けるように、画素数も多い方が綺麗な写真になります。ただし、人の識別能力を超えるほど細かくしても意味が無いので限界があります。

イメージセンサーはD750はフルサイズと呼ばれる機種で、センサーサイズは36mm✕24mmです。その他のイメージセンサーのサイズは以下の通りです。

センサーサイズ

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用紙サイズとdpi

印刷物で決める必要があるのは用紙サイズとdpiです。どんなに高画素なカメラでも、用紙サイズがとんでもなく大きければ、画像はそのぶん荒くなります。

dpiとは1インチ(2.54cm)当たりに点がいくつ含まれるかを示したもので、解像度とも呼ばれます。

プリンタはノズルから小さな点を吐出して画像を形成しますが、吐出する点の細かさをdpiとして表現しています。

用紙サイズが小さくてもdpiが10なら画像は荒々となります。逆にdpiが10000あっても細かすぎて意味がありません。

よって、綺麗に印刷できるかの判断は、「①印刷したい用紙サイズを決める。②そのサイズを鑑賞するときに綺麗に見えるdpiを決める。③そこから求められる画素数がカメラの画素数より小さければ良い。」ということになります。

実践

それでは、D750でA4で印刷したときに綺麗に印刷できるかを確認してみましょう。

まずD750の画素数は2432万画素です。

次に用紙サイズですがA4は210mm✕297mm。これをインチ換算すると、8.27インチ✕11.69インチとなります。

dpiは一般的に300dpiあれば綺麗に見えると言われています。一部の商業印刷では350dpiか用いられたりしますが、ここでは300dpiを採用します。

A4は8.27インチ✕11.69インチ。この領域に1インチあたり300個の点があれば良いので、縦横に300をかけて総数を計算すると、

( 8.27インチ ✕ 300 )✕ (11.69インチ ✕ 300) = 870万

870万画素となりました。D750の画素数は2432万画素なので、D750の画素数の方が大きいので綺麗に印刷することができることがわかりました。

必要な画素数一覧表

上記の計算方法で、様々な用紙サイズに対して、250dpi、300dpi、350dpiでプリントしたときの必要な画素数を一覧表にしてみました。

必要な画素数

こうしてみると、D750であれば、A3で350dpiの印刷までなら問題無いことが分かります。そもそも、A3で印刷する機会はあまりなく、実質A4までと考えるなら1,200万画素あれば解像度的には十分だと言えそうです。

1200万画素と言えばコンデジでも十分なレベルです。画素数だけに着目すれば、何も高価な一眼カメラでなくてもよいことが分かります。ニコンの最上位モデルであるD5の画素数は2082万画素で、D750よりも少ないです。

最上位モデルが品質にこだわっていない訳はありません。にもかかわらず2082万画素数ということは、「それでこと足りる」ということです。

画素数が多くて有利なのはトリミングする場合です。トリミングするとイメージセンサーの一部を切り捨ててその分を拡大しますので、画素数が多くて余裕があるほどトリミングしても品質低下し辛くなります。

厳密には品質は低下していますが人の目には分かり辛くなります。また、カメラの機種によっては、クロップ撮影と呼ばれる、イメージセンサーの中央部のみを使うことで擬似的に望遠レンズのように使えるモードがあります。

このときも画素数が多いほど品質低下し辛く有利です。クロップ撮影についてはこちら。

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参考までに、ニコン、キヤノン、ソニーのカメラの有効画素数を一覧にしました。クロップ時画素数とはクロップ撮影したときに画素数がいくつになるかを示しています。

メーカー機種センサーミラーレス画素数
(万画素)
クロップ時
画素数
ニコンD850フルサイズ45752042
ニコンD5フルサイズ2082929
ニコンDfフルサイズ1625725
ニコンD810Aフルサイズ36351622
ニコンD750フルサイズ24321085
ニコンD610フルサイズ24261083
ニコンD500APS-C2088
ニコンD7500APS-C2088
ニコンD5600APS-C2416
ニコンD3500APS-C2416
ニコンZ7フルサイズ45752042
ニコンZ6フルサイズ24501094
ニコンZ50 APS-C2088
キヤノンEOS-1D X Mark IIフルサイズ2020902
キヤノンEOS Rフルサイズ30301352
キヤノンEOS Raフルサイズ30301352
キヤノンEOS 5D Mark IVフルサイズ30401357
キヤノンEOS 5Dsフルサイズ50602258
キヤノンEOS 5Ds Rフルサイズ50602258
キヤノンEOS 7D Mark IIフルサイズ2020902
キヤノンEOS RPフルサイズ26201169
キヤノンEOS 6D Mark IIフルサイズ26201169
キヤノンEOS 90DAPS-C3250
キヤノンEOS 80DAPS-C2420
キヤノンEOS M6 Mark IIAPS-C3250
キヤノンEOS Kiss MAPS-C2410
キヤノンEOS M200APS-C2410
キヤノンEOS Kiss X10APS-C2410
キヤノンEOS Kiss X9iAPS-C2420
キヤノンEOS M5APS-C2420
キヤノンEOS M6APS-C2420
キヤノンEOS M100APS-C2420
キヤノンEOS 9000DAPS-C2420
キヤノンEOS Kiss X90APS-C2410
ソニーα9 IIフルサイズ24201080
ソニーα9フルサイズ24201080
ソニーα7R IVフルサイズ61002723
ソニーα7R IIIフルサイズ42401892
ソニーα7 IIIフルサイズ24201080
ソニーα7S IIフルサイズ1220545
ソニーα7R IIフルサイズ42401892
ソニーα7 IIフルサイズ24301085
ソニーα7Sフルサイズ1220545
ソニーα7フルサイズ24301085
ソニーα6600APS-C24201080
ソニーα6500APS-C24201080
ソニーα6400APS-C24201080
ソニーα6100APS-C24201080
ソニーα6000APS-C24301085
ソニーα5100APS-C24301085
ソニーα99 IIフルサイズ42401892
ソニーα77 IIAPS-C24301085

まとめ

これまでのお伝えしてきたことのまとめです。

  • 綺麗にプリントするためには、プリント時に綺麗に見える必要画素数より、カメラの画素数が多ければよい。
  • A4で綺麗にプリントするには870万画素必要だが、最近のカメラならまったく問題無くクリアできる。
  • トリミングしたりクロップ撮影するときは画素数が多いと有利。

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