RAW現像・撮影後のレタッチで撮影前の設定と同じ結果が得られるのか?!

RAW現像・撮影後のレタッチで撮影前の設定と同じ結果が得られるのか?!

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分かりづらいタイトルですいません。

RAWでの撮影が推奨される理由は、RAWの方がより多くのデータを持っているのでレタッチしたときに画像劣化し辛いためです。例えばRAWで撮影していれば、後からホワイトバランスを自由に変更することができます。

ここで疑問なのが、撮影前に設定したホワイトバランスと、撮影後に設定したホワイトバランスは果たして同じ結果が得られるのか

「RAWなら後から変更できる=同じ結果が得られる」と考えていましたが、果たしてそうでしょうか。という訳で検証してみました。

検証内容

検証したのは、撮影前に設定するパラメータのうち、撮影後にニコンのCapture NX-Dで変更することができる以下の4つのパラメータについてです。撮影は同じくニコンのD750を使用しました。


・ピクチャーコントロール
・ピクチャーコントロール(パラメータ)
・ホワイトバランス
・EV値(シャッター速度)

1枚はある設定にして撮影したもの、もう1枚はデフォルトの設定で撮影したものをCapture NX-Dで設定を変更して両者を比較してみました。

例えば、1枚のピクチャーコントロールを「ポートレイト」にして撮影し、もう1枚を「スタンダード」(デフォルトを「スタンダート」とする)で撮影した後にCapture NX-Dでピクチャーコントロールを「ポートレイト」に変更します。

この2枚に差があるのかを調べました。

今回使用したのは以下のガジュマルの写真です。

検証画像
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ピクチャーコントロール

まずはピクチャーコントロールです。ピクチャーコントロールとは、シーンの雰囲気に合わせて色調をお手軽に変えることができる設定です。

デフォルト設定を「スタンダード」として、次の「ポートレイト」「モノクローム」「ビビット」「ニュートラル」「フラット」の5つの設定で撮影した場合と、「スタンダード」で撮影した後にCapture NX-Dで5つのピクチャーコントロールに変更してその差を比較しています。

画像とともに右上のヒストグラムにも着目下さい。どのように色味が変化したのかが分かりやすいです。画像の左がオリジナル、右がCapture NX-Dで変更した画像です。

結論を先に言うと、差はありました。ヒストグラムを見ると、わずかに形状が変わるのが分かります。強いて言うと、オリジナルに比べてCapture NX-Dによるピクチャーコントロール変更の方がわずかに暗くなっているように見えます(ヒストグラムが左による)。

そして「風景」だけがその傾向がやたら顕著でした。何故でしょう・・・?

■ポートレイト(オリジナル / Capture NX-D)

■モノクローム(オリジナル / Capture NX-D)

■ビビット(オリジナル / Capture NX-D)

■ニュートラル(オリジナル / Capture NX-D)

■フラット(オリジナル / Capture NX-D)

■風景(オリジナル / Capture NX-D)

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ピクチャーコントロール(パラメータ)

続いてピクチャーコントロールのパラメータです。ピクチャーコントロールの各設定に対して、「輪郭強調」「明瞭度」「コントラスト」「明るさ」「色の濃さ(彩度)」「色合い(色相)」を調整することができます。

今回はこのうち、「明瞭度」「コントラスト」「明るさ」「色の濃さ(彩度)」の4つのパラメータをそれぞれ、撮影前と後に調整して比較しました。ちなみに、各パラメータを最大値まで変更しています。

こちらも違いはありました。「明瞭度」はわずかながらオリジナルの方が暗く、逆に「色の濃さ」「明るさ」はオリジナルの方が明るい感じです。「コントラスト」は背景の一部の明るさが若干変化する程度で全体としてはほぼ差はありませんでした。

■明瞭度(オリジナル / Capture NX-D)

■色の濃さ(オリジナル / Capture NX-D)

■明るさ(オリジナル / Capture NX-D)

■コントラスト(オリジナル / Capture NX-D)

ホワイトバランス

ホワイトバランスは光源の色を設定します。「晴天日陰」「曇天」「フラッシュ」「電球」「快晴」のうち、「快晴」をデフォルト設定として、その他4つの設定で撮影した画像と、「快晴」で撮影した後、Capture NX-Dで4つの設定に変更した画像を比較しました。

ホワイトバランスに関してはこちら。

ホワイトバランスの差は顕著でした。全体的にオリジナルに比べてCapture NX-Dでの補正画像の方が暗くなりました。この結果だけで言うと、ホワイトバランスは確かに後から変えられるけど撮影前の設定と同じにはならないってことになりそうです。

■晴天日陰(オリジナル / Capture NX-D)

■曇天(オリジナル / Capture NX-D)

■フラッシュ(オリジナル / Capture NX-D)

■電球(オリジナル / Capture NX-D)

EV値(シャッター速度)

最後にEV値です。EV値は撮影前後で変更するパラメータが異なります。撮影前にはシャッター速度を変えることで明るさを変えました。デフォルトが1/15秒に対し、EV値が+1となる1/8秒、EV値が+2となる1/4秒で撮影し、対してデフォルトの1/15秒で撮影した後、Capture NX-DでEV値を+1、+2に変更した画像を比較しました。

結果はヒストグラムにわずかに違いが見られますが、それよりも画像の鉢の輪郭部に着目下さい。画像全体ではほぼ差はありませんが、鉢の輪郭部だけオリジナルに比べてCapture NX-Dによる調整画像の方が暗くなっています。EV+2の方がそれが顕著です。

どうみても鉢の輪郭だけ暗くなるのは不自然です。なのでこの画像の場合は撮影後に明るさを上げるより撮影時に調整した方が良いということになります。

■EV値+1(オリジナル / Capture NX-D)

■EV値+2(オリジナル / Capture NX-D)

まとめ

以上のまとめです。

・撮影前の設定と撮影後の設定変更とでは多少なりとも差がある。
・ピクチャーコントロールは概ね差が少ない中で、なぜか「風景」だけが撮影後の設定の方が顕著に暗くなった。
・特にホワイトバランスは全体的に撮影後のCapture NX-Dによる設定の方が暗くなる傾向がある。
・EV値は撮影後の調整では不自然に暗くなる箇所もあり。

上記の結果はカメラとレタッチソフト全てに言えることではなく、あくまで僕が持っているニコンのD750と同じくニコンCapture NX-Dにおいてです。特にレタッチソフトが変わると結果も変わると思われますので、それを念頭に参考として頂ければ。では。

Capture NX-DのRAW現像については、以下の書籍にまとまっています。基本的な使い方は網羅されているのでよろしければ^^

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