日本最北端にして百名山1番目の山、利尻岳。洋上のアルプスと呼ばれる急峻かつ端正な山容で、標高は2000mに満たないながらも堂々たる風格があるかっこ良い山です。最北端の離島にそびえるまさに孤高の山って感じ。
今回はそんな利尻山のご紹介。
利尻島のアクセス
利尻岳は登山口にたどり着くだけで一苦労です。飛行機でアクセスする場合は、新千歳空港か丘珠空港のいずれかになります。
道外からは新千歳を利用する場合が多いかと思いますが、新千歳から利尻空港は1日1便しか運行していませんので要注意です。丘珠空港からは1日3便しか運行しています。利尻空港の発着便数と時間はこちら。
フェリーは稚内港から1日2,3便が運行しています。季節によって便数や運行時間が異なるようです。稚内~利尻島のフェリー時刻表はこちら。
登山口・利尻北麓野営場までのアクセス
利尻島に到着してから登山口である利尻北麓野営場までのアクセスは、バスかタクシーを使うことになります。が、バスは本数が少ない上に登山口最寄り(とは言いがたい)栄町というバス停から登山口までは1時間以上歩きです。宗谷バスのHPで時刻表が確認できます。
タクシーはあらかじめ予約しておかないとつかまりません。
<ハイヤー連絡先>
・(鴛泊)富士ハイヤー 0163-82-1181
・(沓形)りしりハイヤー 0163-84-2252
利尻島に到着してそのまま登山に突入する人は少ないと思いますので、宿泊場所までのんびり歩いて行くのも良いかもです。
もしくは、観光もかねて連泊するならレンタカーをレンタルするのもアリです。参考までにレンタカー会社のリンクを載せておきます。
<レンタカー>
・まごころレンタカー
・利尻レンタカー
・ニッポンレンタカー
鴛泊から登る利尻山ルートマップ
利尻山の登山ルートは主に鴛泊と沓形のどちらか二つです。登山口から山頂往復の所要時間は沓形からの方が短いですが、沓形は登山口までのアクセスが長く、鴛泊ルートの方が安全でオススメなので、今回は鴛泊の利尻北麓野営場から登るルートをご紹介します。
利尻北麓野営場-(1:30)→第一見晴台-(1:20)→第二見晴台-(0:20)→長官山-(0:20)→利尻山避難小屋-(2:10)→利尻山山頂-(1:25)→利尻山避難小屋-(2:05)→利尻北麓野営場
利尻山登山の体力的難易度・ルート定数
利尻山のルート定数は34.9。日帰りの山としては高めのルート定数です。利尻山の標高は1721mでそれほど高くはありませんが、登山口である利尻北麓野営場の標高が200mほどしかありません。
累積標高差は1446mでこれは上高地から槍ヶ岳の標高差と同等です。ただし、槍ヶ岳は2泊3日かけて登るのが普通ですが、利尻山は1日で登らねばなりません。心して挑みましょう。
同等レベルの難易度の山としては、戸隠キャンプ場から登る高妻山(34.9)、川場野営場から登る武尊山(ルート定数34.1)あたりです。
利尻山登山におすすめサプリ
利尻山登山のお供として、9割以上のアスリートが疲労回復に効果ありと答えたアミノバイタルゴールドがおすすめです。僕自身、これを登山中に飲んだら筋肉痛が軽くなって驚いています。
アミノバイタルゴールドついてはこちらで紹介しています。
おすすめ行動食・えいようかん

登山中の体力維持にはこまめな栄養補給が欠かせません。特に必要とする栄養素はエネルギーに変わりやすい糖質。
糖質を多く含み、行動中も食べやすく何より美味しいものという意味では、えいようかんを推します。
単純な100gあたりの糖質量であれば、飴の方が多いのですが、飴を100g食べるのはけっこう大変ですしかさばります。その点、えいようかんはコンパクトで◎。
「えいようかんなんて知らん」という方も多いかもしれませんが、試しに食べてみて下さい。美味いです!
ちなみに、以下のページでおすすめの行動食10選をご紹介しています。
山頂の月ごとの平均気温
利尻山山頂の月ごとの平均気温、最高気温、最低気温をまとめました。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最高 | -11.3 | -11.5 | -8.7 | -3.2 | 1.2 | 6.3 | 10.7 | 12.5 | 9.4 | 4.2 | -3.3 | -8.7 |
平均 | -13.2 | -13.4 | -10.6 | -5.1 | -0.7 | 4.2 | 8.7 | 10.6 | 7.5 | 2.3 | -5.2 | -10.6 |
最低 | -14.8 | -15 | -12.2 | -6.7 | -3.3 | 0.3 | 5.9 | 8.4 | 5.3 | -0.2 | -7.6 | -12.6 |
よく言われることですが、北海道の2000m級の山の気候は中部山岳の3000m級に匹敵します。例えば標高2932mの白馬岳の8月の平均気温は10.2度。1721mの利尻山よりも1000m以上標高が高いですが平均気温は似たようなもんです。
※上記の気温の表は、国土交通省が平成24年に作成したデータを元に算出しています。エリアごとの平均標高と平均気温に対し、標高100m上昇するごとに気温が0.6度低下する前提で求めたあくまでも推定値です。
利尻山のルートガイド
等高線を見て頂ければ分かりますが、利尻山は総じて急です。標高が上がるにつれて木々の背丈が低くなり、風が強いと遮る物がなくなるので注意して登りましょう。
6合目の第一見晴台で眺望が開けます。天気が良ければふもとの鴛泊港が眼下に眺められます。
僕が登ったときは8合目の長官山あたりで強風が吹いていました。山頂は雲に覆われていましたが、朝日を浴びて輝く木々と雲がとても美しかったです。
8合目をすぎると斜面が崩落した箇所がありますが、慎重に進めば問題ないと思います。ロープから手を離さず登って下さい。山頂からは360度の大展望です。が、僕のときはガスっていたので眺望ゼロでした。なので写真はありません・・・
利尻山登山の注意点・トイレ
利尻山の登山道中にはトイレはありません。環境保護のために携帯トイレを持参することが推奨されています。鴛泊コースであれば、6.5号目、避難小屋、9合目にトイレブースが設けられています。
使用済みの携帯トイレは北麓野営場前に回収BOXがあります。詳しくはこちら。
利尻山登山の注意点・熊 → 今はいない?
北海道と言えば熊です。ただし、離島である利尻島では熊はいませんでしたが、2018年に監視カメラにその姿が捉えられたことがありました。専門家の話では、海を泳いで渡ってきた約100年ぶりの熊だったそうですが、2019年現在は見かけません。
再び海を渡ったかのどちらかということらしく、いずれにせよ現在は利尻島には熊はいない模様です。(日経新聞より)
山小屋、テント場情報
鴛泊から登るルートでりようできる山小屋、テント場情報です。といっても山小屋はなく、麓にキャンプ場が2件のみ。なお、鴛泊市街には宿泊施設が多数ありますが、ここでは割愛しています。
山小屋/テント場 | 収容人数 | テント張 | 風呂 | 営業開始 | 営業終了 |
---|---|---|---|---|---|
利尻岳北麓野営場 | ケビン7棟 | 60 | 5月15日 | 10月15日 | |
利尻島ファミリーキャンプ場 | コテージ、バンガロー10棟 | 30 | 〇 | 5月1日 | 10月31日 |
僕のオススメは利尻島ファミリーキャンプ場です。利尻山北麓野営場からはさらに下ったところにあるため、登山時はよけいに時間がかかりますが、登山以外に利尻島散策を行うなら市街地に出やすいファミリーキャンプ場をオススメします。
そして何より、ファミリーキャンプ場のすぐそばに温泉もあるのも◎です^^
利尻島観光
利尻島は登山だけでなく島の散策もオススメです。せっかくはるばる利尻島に来たなら、登山だけでなく周辺散策もしてみて下さいな。オススメは利尻島一周です。島を回るならレンタカーもしくは時間と体力があるならレンタサイクルはいかが?周長は約55kmなので自転車でも不可能ではありません。
りしぷらのHPに観光マップとサイクリングロードマップが掲載されています。
<レンタサイクル>
・旅館 雪国
いくつか観光スポットをご紹介します。
海
当然ですが島なので周囲を海に囲まれています。南国で見る海とは違う大海原を堪能しましょう。
利尻ラーメン
「味楽」というラーメン屋をご存じでしょうか?利尻昆布でダシを取ったスープが特徴的な利尻島限定のラーメンです。せっかく利尻島に来たなら是非立ち寄ってみて下さい。
姫沼
鴛泊港から海岸線を時計回りに2km程度進み、そこで右折してさらに1km程度進んだところに姫沼があります。姫沼を前景として眺める利尻山は一見の価値ありです。北麓野営場から徒歩で2時間程度、散策路歩いて行くこともできます。
色んなところから眺める利尻山
島の中央にそびえる利尻山はどこからでも眺めることができます。同じ山でも見る角度によって雰囲気が違います。角度によって刻々と変わる利尻山の表情をじっくり楽しみたいなら、レンタサイクルで一周をおススメします。一周約60km程度で、6時間あれば回れるでしょう。