アルプス三大急坂。体力を要するキツい坂は?!

アルプス三大急坂。体力を要するキツい坂は?!

西黒尾根

今回は我々をいじめるもの激坂たちの特集です。日本の山で激坂の有名どころといえば「日本三大急坂」「北アルプス三大急坂」です。

これらの坂とおまけの1つを追加した6坂についてご紹介したいと思います。いったいどこの坂が最もキツいのでしょうか?

日本三大急坂と北アルプス三大急坂

日本三大急坂と北アルプス三大急坂とは、5つの登山道を指します。3大✕2つなのになぜ5つになるのかというと、1カ所の坂が被っているからです。図で示すと以下のようになります。

三大急坂
日本三大急坂は「黒戸尾根」「西黒尾根」「ブナ立尾根」。北アルプス三大急坂は「合戦尾根」「早月尾根」「ブナ立尾根」。ブナ立尾根は両方に挙げられています。二冠ですね。

これらの急坂の特徴をグラフと表にしてみました。グラフの横軸が水平移動距離、縦軸が標高です。今回の5つの坂に加え、清水(しょうず)尾根なるマイナーな坂も加えてみました。

三大急坂+1のグラフ
グラフ

三大急坂+1のデータ

名称コース水平距離(km)累積標高(m)平均斜度(%)ルート定数
ブナ立尾根高瀬ダム~烏帽子岳5135826.826
黒戸尾根竹宇駒ヶ岳神社~甲斐駒ヶ岳7.9224627.640.6
早月尾根馬場島~剣岳6.7218933.342.1
合戦尾根中房温泉~燕岳4.512992922.5
西黒尾根土合口~谷川岳3.4114634.519.5
清水尾根祖母谷温泉~白馬岳14226915.447.4

三大尾根の中では、西黒尾根の平均斜度が34.5%で最も急でした。その分、距離が短いのが救いですね。日本三大急坂と北アルプス三大急坂の二冠に輝いている?ブナ立尾根は、黒戸尾根や早月尾根に比べるときつくは無いようです。

百名山のグレーディング表のまとめはこちら。

オススメ縦走路のルート定数のまとめはこちら。

スポンサーリンク

ブナ立尾根(高瀬ダム~烏帽子岳)

ブナ立尾根
高瀬ダムからスタートし、烏帽子岳までの登りがブナ立尾根です。栄誉ある日本三大急登と北アルプス三大急登の両方に唯一名を連ねる名坂?です。

先ほども述べましたが、早月尾根や黒戸尾根に比べると全長は短く、そこまで傾斜も急ではありません。それでもブナ立尾根がキツいのは、ここを登る多くの登山者が裏銀座縦走を計画しているためです。

黒戸尾根や早月尾根は登り切ればそこが山頂であとは下山するのみですが、裏銀座縦走する場合はブナ立尾根は登り切ってからがスタートです。

そんなブナ立尾根には裏銀座の踏破の夢の出鼻を砕くのには十分な破壊力があります。もしかすると、その意味を込めての二冠なのかもしれません。

ブナ立尾根・ルート図

黒戸尾根(竹宇駒ケ岳神社~甲斐駒ケ岳)

甲斐駒ヶ岳
登りだけで一泊を要する希有な激坂、黒戸尾根。グラフを見て頂ければ分かりますが、長いし急です。甲斐駒ケ岳に登るには北沢峠からの方がはるかに簡単に登れるので今では黒戸尾根を登る登山者は少ないようです。

しかしそれでも、いや、だからこそ登る人もいるでしょう。それをバカなやつと言い切れるか。言い切れないからこそ我々は山に遊ぶのです。しんどいからこそやる行為、それが登山。

「俺はいったい何をやってるんだ?」と自問自答しながら登る黒戸尾根も面白いかもしれません。僕もいつか登ってみたいです。

黒戸尾根・ルート図

合戦尾根(中房温泉~燕岳)

合戦尾根
ブナ立尾根が裏銀座における先制パンチとすれば表銀座におけるソレが合戦尾根です。ブナ立尾根と同様樹林帯の急坂が続きますが、こちらの樹林帯は晴れていれば木漏れ日がとても綺麗なので気分的には登りやすいです。

あと、何と言っても半ばにある合戦小屋のスイカ!「暑さ+疲労+スイカ=最高の癒し」です。社会人になってこれほどスイカに感動したことはありません。是非ご賞味あれ!!

合戦尾根・ルート図

スポンサーリンク

西黒尾根(土合口~谷川岳)

西黒尾根
世界最大の遭難者を出す魔の山、谷川岳が誇る日本三大急登、西黒尾根。他の急坂に比べると距離が短く、谷川岳も2000mに満たず、思わず舐めてしまいそうになるあたりがまさに魔の山。

西黒尾根の平均斜度は34度もあり、今回紹介した中でも屈指の斜度を誇ります。僕は馬蹄形縦走の最後の下山ルートとして歩きました。疲れ切った身体に34度の傾斜は膝をそして心を責め立てました。

下山ルートは天神平からロープウェイという楽々コースもあるので、お身体のご機嫌を伺ってからルートを決めて下さい。ちなみに、馬蹄形縦走を逆回りしても最後の白毛門からの下りは西黒尾根と同じレベルの斜度なのでどちらにしろ地獄です。悪しからず。

西黒尾根ルート図

谷川岳馬蹄形縦走で酷い目にあった話はこちら。

早月尾根(馬場島山荘~剱岳)

距離と斜度という意味で早月尾根と黒戸尾根が急坂のツートップだと思います。北の早月、南の黒戸。どちらも長く急です。剱岳自体が登る人をある程度選ぶ山ですが、その中でも早月尾根から登った人は少ないのではないでしょうか。

本来であれば南の立山側のルートよりも危険性は低いこちらのルートの方が推奨されるべきなのかもしれませんが、剣岳の険峻な岩場であったり、その姿を堪能するにはやはり室堂ルートがオススメです。

早月尾根ルートは、マイナーな分、静かに剣岳に登りたい人にはおススメです。標準的なタイムで9~10時間程度かかりますので、中腹の早月小屋で1泊することになります。

ちなみに、トランスアルプスジャパンレースという日本アルプスを縦断するというお化けレースに出場するトップ選手は3時間程度で登ります。クレイジーです。

早月尾根・ルート図

清水(しょうず)尾根(祖母谷温泉~白馬岳)

清水尾根
おまけです。白馬岳に至る登山道は複数ありますが、その中でもかなりマイナールートです。僕は鹿島槍ヶ岳から白馬岳まで後立山連峰を縦走した後にこのルートで下山しました。ルート定数47.4は三大急坂のどこよりも高い値です。

マイナールートの良いところは人が少なく静かな山行を楽しめることですが、逆に登山道が荒れがちです。清水尾根もごたぶんに洩れず荒れておりました。

白馬岳から下山し始めてしばらくは道もしっかりして危険な場所も無かったのですが、標高が下がるに従い、急斜面を無理やり切り開いて道にしたようなところが連続するし、草木が生い茂って分かりづらいし、眺望が無く地味で心折れるしんどいルートでした。

時間があれば祖母谷温泉で疲れをとって、のんびりトロッコ列車に乗ってかえりましょう。
祖母谷温泉

清水(しょうず)尾根・ルート図

知識・保険・遭難カテゴリの最新記事