剣山はその名前に似つかわしくない穏やかな山容の山で、登山口である見ノ越から1時間半ほどで山頂まで登れてしまいます。おまけにリフトもあって天気さえ良ければ百名山の中でも初心者でも簡単に登れる山と言えるでしょう。
正直、物足りなさも感じる山かもしれません。が、それでも百名山たる所以は、あくまで個人的見解ですがその眺めにあると思っています。眺めとは、剣山からの長めでは無く、隣の山から眺めた剣山です。
アイキャッチ画像にしているこの眺め。見て下さい。笹の山肌とそこに走る美しい一本の登山道。剣山はハタから眺めてこそ、その素晴らしさが分かる山なのです。
と言う訳で今回は剣山をただ直登するのではなく隣の山経由で登るルートのご紹介です。
剣山登山口・見ノ越へのアクセス方法
剣山の登山口である見ノ越へはバスでアクセスできます。バスは3つのルートが運行していて、「阿波池田駅」「大歩危駅」「貞光駅」「穴吹駅」の4つのJRの駅と接続しています。
見ノ越へのバスの詳細情報は徳島県のHPを参照下さいな。
例えば大阪からのアクセスであれば、バスで阿波池田か高松まで行って大歩危駅でしょうか。高松には神戸~高松間で運行しているフェリーを利用するのも楽しいかもです。
深夜便だと神戸港を0時30分に出発し、高松港に4時半に到着します。運賃は2490円なので高速バスよりも安価です。
神戸とうどん県をつなぐフェリー情報はジャンボフェリーのHPを。

見ノ越の駐車場
マイカーでのアクセスの場合、見ノ越には無料の200台程度が駐車できる駐車場があります。登山口とリフトから直近で、近くに売店もあるので便利です。
ピストンで登るのなら時間を気にしなくていいマイカー利用が便利です。
剣山のルート図
今回は見ノ越からリフトの終着である西島まで登り、そこから山頂には向かわず西側の次郎笈(じろうぎゅう)という山に向かいます。それは、僕の独断と偏見によると次郎笈から眺めた剣山が最も綺麗だからです。
次郎笈まで登ってまた下って剣山に登り返すというルートで、その分歩行時間は長くはなりますが、それでも4時間40分。帰りのバスの時間が気になるところですが、最悪、下りは西島からリフトで良いでしょう。
コースタイム
今回のルートは日帰りでコースタイムは4時間40分です。日帰り登山としてもどちらかと言うと楽な部類でしょうか。ただ、登山口である見ノ越へどこからアクセスしたかによって、帰りのバスの時刻まであまり余裕が無かったりします。繰り返しになりますが、徳島県のHPでご確認を。
見ノ越 -(0:55)→ 西島 -(1:35)→ 次郎笈 -(1:00)→ 剣山山頂 -(0:35)→ 西島 -(1:00)→ 見ノ越
なお見ノ越~西島間をリフトを使えば時間短縮が可能です。リフトの営業期間は4月下旬から12月上旬で、片道1050円、往復1900円です。リフトの詳細は剣山観光登山リフトのHPをご確認下さい。HPの作りが独特です・・・
ルート定数
ルート定数は19.2。10段階中の2なので、初心者でも登れるレベルです。ただし、今回のコースは次郎笈まで登っていったん下った後に剣山に登り返すので、そのアップダウンが意外としんどく感じるかもしれません。
往々にして、前知識で「楽」という情報があると、舐めてかかって意外としんどかったというパターンに陥ります。
リフトを使用して西島から剣山山頂を往復するルートにすればさらに難易度は下がりますが、登山を目的にするならもはや物足りないレベルなので避けましょう。
ちなみに、同等の体力度の山は瑞牆山荘から登る瑞牆山が19.1です。

剣山と百名山のグレーディングについてはこちら。
剣山登山におすすめサプリ
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アミノバイタルゴールドついてはこちらで紹介しています。
おすすめ行動食・えいようかん

登山中の体力維持にはこまめな栄養補給が欠かせません。特に必要とする栄養素はエネルギーに変わりやすい糖質。
糖質を多く含み、行動中も食べやすく何より美味しいものという意味では、えいようかんを推します。
単純な100gあたりの糖質量であれば、飴の方が多いのですが、飴を100g食べるのはけっこう大変ですしかさばります。その点、えいようかんはコンパクトで◎。
「えいようかんなんて知らん」という方も多いかもしれませんが、試しに食べてみて下さい。美味いです!
ちなみに、以下のページでおすすめの行動食10選をご紹介しています。
山頂の月ごとの気温
剣山山頂の月ごとの平均気温、最高気温、最低気温をまとめました。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最高 | -4.1 | -2.2 | 2.9 | 9.4 | 13.5 | 15.9 | 19.5 | 20.1 | 15.8 | 10.5 | 4.5 | -1.4 |
平均 | -8 | -7.1 | -3.2 | 2.8 | 7.6 | 11.1 | 14.6 | 14.7 | 11.4 | 5.4 | -0.7 | -5.7 |
最低 | -11.4 | -10.6 | -8.1 | -3.4 | 1.4 | 6.2 | 10.5 | 10.2 | 7.3 | 0.6 | -4.5 | -9.2 |
剣山の標高は1955mでそれほど高くなく四国な温暖な気候もあって、他の百名山と比べると年間を通して気温は高めです。6月から9月まで平均気温が10度越え。気候的には登り易い部類に入る山です。
今回ご紹介する次郎笈経由で登るルート、見ノ越から剣山山頂へ最短ルートのいずれも危険箇所はなく、アイゼンがあって気候が安定していれば積雪期でも登ることができます。
剣山頂上ヒュッテの営業期間は4月下旬から11月下旬。この期間であればいざというときは山小屋をあてにできるので安心です。
11月下旬だと積雪もあるかもなので、アイゼンがあった方が良いかもしれません。特に、気温が中途半端に低いと雪が溶けて氷になるとやっかいです。情報収集してから登りましょう。
※上記の表は、国土交通省が平成24年に作成したデータを元に算出しています。エリアごとの平均標高と平均気温に対し、標高100m上昇するごとに気温が0.6度低下する前提で求めたあくまでも推定値です。
剣山のルートガイド
登山口である見ノ越には剣神社があって、この横を通過して登山開始です。

剣山は危険な箇所は皆無と言っていい、楽に安全に登れる難易度が低い山です。1時間足らずでリフトの終着駅である西島に到着です。このあたりは無料のテント場になっています。日帰りで登れる山ですが、あえてテント泊してナイトハイクするのもよさげ。

西島から直登すれば1時間足らずで山頂ですが、西に進路を変えて次郎笈を目指します。次郎笈も剣山と同じく笹に覆われた綺麗な山容の山です。稜線が良い感じで、歩きたくなる山ですな。

西島から1時間半程度で次郎笈に到着します。次郎笈からの剣山の眺めが最も美しく見えるアングルだと思います。西島から剣山を直登するとこの眺めは見られません。剣山に登る際には次郎笈にも登ることを強くおススメします。

次郎笈から剣山山頂までは1時間と少し。この間の稜線歩きも楽しいです。剣山山頂に着くと、次郎笈と歩いてきた道のりが眺められます。

山頂は、剣らしくない広く平らになっていて遊歩道が敷設されています。

山頂から見ノ越までは1時間20分程度で下山できます。帰りのバスの時間が怪しければ西島からリフトを使うのもありです。リフトだと約15分で下山できます。リフトの詳細は徳島県の観光情報サイトから。

山小屋・テント場情報
剣山の山頂に剣山頂上ヒュッテ、南東に1時間ほど下ると一ノ森ヒュッテがあり、テント場はリフトの終点の西島と一ノ森ヒュッテがあります。いつになく情報に?が多く申し訳ありませんです・・・。
山小屋/テント場 | 収容人数 | テント張 | 風呂 | 営業開始 | 営業終了 |
---|---|---|---|---|---|
剣山頂上ヒュッテ | 150 | 4月下旬 | 11月下旬 | ||
雲海荘 | ? | 4月下旬 | 11月下旬 | ||
一ノ森ヒュッテ | 50 | ? | 4月下旬 | 11月上旬 | |
西島キャンプ場 | 10? | 通年? | 通年? |
あまり知られていませんが、今回ご紹介したルート上には西島キャンプ場というテントが張れる場所があります。
僕も泊まったことがないのですが、おそらく無料で、おそらく水場もあります。すぐ近くにリフトの西島駅があるので、そこにトイレもあります。
普通に登れば日帰りで登れる剣山ですが、あえてのテント泊も一興です。

登山口・見ノ越周辺の温泉
見ノ越のから2kmほど下ったところにラ・フォーレ剣山という宿泊もできる温泉があります。駐車場は無料で入浴は一人500円でリーズナブル。レストランもあるので食事もできます。口コミ評価も高いようなので、マイカー利用なら帰りにたちよってはいかがでしょう。
ただし、営業は11月中旬ごろまでのようです。