Capture NX-Dで周辺光量落ちを補正する。

Capture NX-Dで周辺光量落ちを補正する。

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写真をよくよく見てみると、四角がうっすら暗くなっていることがあります。ていうか良くあります。周辺光量落ちと呼ばれるこの現象は、いくつかの原因が考えられ、その原因がわかっていれば対策を立てることもできます。

また、発生してしまった周辺光量落ちを補正することも可能です。今回は、周辺光量落ちはなぜ発生するのか、またその補正方法をニコンのCapture NX-Dを用いてご紹介したいと思います。

周辺光量落ちとは

周辺光量落ち
周辺光量落ち

周辺光量落ちとは、写真の四角が暗くなる現象のことです。上の写真の空の端が少し暗くなっているのがソレです。もちろん被写体がそうなっているからではなく、カメラ側の問題で生じる現象です。

周辺光量落ちには大きく3種あって、いずれも四角の光量が低下する現象に違いはありませんが、その発生原因が異なります。よって予防策も変わってきます。

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原因1:ケラレ

ケラレ
ケラレ

まずはケラレ。3種のうちもっとも単純かつ発生したときの被害がでかいのがコレ。

ケラレとは、不適切なレンズフードやフィルタを装着すると、それらの一部がレンズへの入射光をさえぎり影となって写る現象です。もし、影がきつくて完全に黒くつぶれてしまっていると如何なる補正もできません。

対策としては、適切なレンズフードとフィルターを使うに限ります。レンズ専用のフードはケラレが生じない設計になっていますが、サードパーティのフィルターだとその限りではないので注意が必要です。

原因2:口径食(ヴィネッティング)

レンズの端に入射する光はその一部がレンズフレームやフードにさえぎられてしまいます。これにより四角が暗くなり、なおかつ本来であれば綺麗な円状に入射する光が一部が欠落して半月やレモンのような形状として受光します。

これを口径食(ヴィネッティング)と呼び、玉ボケの形状でその発生を確認することができます。

実際にやってみましょう。点光源がボケるようにピントを調整し、カメラの中心から徐々に離していきます。そうすると、点光源が中心から離れるほど、玉ボケの形状が崩れていくのがわかります。
 

ヴィネッティング1

ヴィネッティング3

ヴィネッティング5
玉ボケの崩れ

 
これは点光源の光の円の一部がレンズフレームにさえぎられたためです。分かりやすく図で表現してみました。以下の青い円柱がレンズだと思って下さい。
 

レンズ
レンズ

 
このレンズの先にあるイメージセンサー部が黄色の部分です。レンズをななめにしていくに従って、黄色の形状が真円から徐々にレモン状、三日月状に変化してるのがわかります。つまり、ある角度以上から入射する光は真円にはらなず、これが玉ボケの崩れとして現れるということです。
 

円の形状が崩れる
円の形状が崩れる

 
さらに、光が入射するレンズの形状に着目です。カメラを斜めにすると円が楕円になっているのが分かります。よって、厳密にはカメラの光軸から少しでもずれた位置から入射する光は歪んでるということです。これが顕著になると周辺光量落ちとなって現れてきます。
 

この現象自体はカメラの構造上、必ず生じるものですが、ケラレ対策と同じく絞りを絞ることで軽減ないし解消することができます。

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原因3:コサイン4乗則

最後にコサイン4乗則。特別な指向性を持った光を除き、一般的には光は距離に比例して照射領域が広がります。ですが、領域は広がっても照度の総量は変わらないため、同一面積で比較すると距離が離れるほど単位面積あたりの照度は低下します。そして、なおかつ受光面に対して斜めに入射した光は光が間延びする分、単位面積あたりの照度が低下します。

以上を踏まえ、レンズに入射する光の入射角が光軸に対して角度θのときの照度を数式で表すと以下のようになります。

$$斜めからの入射光f’ = cos^4θ ✕ f$$

具体的な光量低下量をグラフにしてみました。
 

コサイン4乗則(入射角と照度低下の関係)
入射角と照度低下の関係

 
光軸に対して30度の角度で入射した光は光軸上の光に比べ、約半分まで光量が低下しているのがわかります。ただし、これは単一の凸レンズの場合であってカメラは複数のレンズを組み合わせているので、実際にはこのような低下曲線にはならないと思われます。

コサイン4乗則はカメラの構造に起因するものなので生じなくすることはできません。写真を見て気になるレベルが否かは別として、必ず発生しています。

周辺光量落ちを補正する

周辺光量落ちを補正するには、Capture NX-Dのヴィネットコントロールという機能を使います。メニュー画面の「カメラとレンズの補正」から「ヴィネットコントロール」にチェックを入れます。
 
メニュー
 
ヴィネットコントロールのスライダーを動かすと、画像フレーム付近の明るさが変化します。プラス方向だと明るく、マイナス方向だと暗くなります。絵柄を見ながらちょうどよい明るさになるよう調整しましょう。

とりあえずプラス方向に20にしてみました。画像中心の明るさは変わりませんが、周辺(特に空の角)が少し明るくなっているのが分かります。
 


 
ヴィネットコントロールはただ機械的に明るさをコントロールしているだけなので、うまく調整できない場合もあります。例えば下の写真。特に四角の光量落ちが激しいため、ヴィネットコントロールのパラメータ値をMAXの200適用しました。

が、四角は多少明るくなったものの依然暗い一方で、四角以外は中心よりもフレーム付近の方が明るくなってしまっています。また、明るくなりすぎて色飛びしてしまっています。
 


 
また、ケラレが生じている写真も復元できません。同じくヴィネットコントロールのパラメータ値をMAXの200にしましたが、ケラレている角は改善していません。
 

 
以上より、周辺光量落ちはCapture NX-Dである程度は補正できますが限界もあります。過信しすぎないように。

まとめ

3種類の周辺光量落ちについて、まとめてみました。知っていれば防げるものもありますので是非覚えておいて下さいな。

名称現象撮影時の解消方法レタッチで補正
(Capture NX-D)
ケラレ不適切なサイズのレンズフードやフィルターによって、写真四隅が暗くなる。フードまたはフィルターを外す。完全に黒く潰れてしまっている場合は不可能。
口径食(ヴィネッティング)一定以上の角度の入射光がレンズ径などに制限され、玉ボケが円形ではなく一部がレモン状や月が欠けたような形状になる。絞ることである程度解消する。明るく補正することは可能だが、レモン状の玉ボケを正円にすることは不可能。
コサイン4乗則レンズに入射する光が光軸に対して入射角θのときの照度は、光軸上の照度に対してcosθの4乗となる。撮影時の解消方法は無い。可能。

参考
Caputre NX-Dについて書かれた本はあまりないのですが、基本的な操作はこちらに参考になります。ただ、カラーコントロールポイントに関しては未掲載です。

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