山岳遭難回避のための天気予報のチェック方法

山岳遭難回避のための天気予報のチェック方法

燧ヶ岳
登山に行くまでに一番気になるとは当当日の天気です。天気の良し悪しがその登山の良し悪しに直結していると言っても過言ではありません。登山での悪天候は醍醐味である景色が見えないばかりか危険も増すというまったくのイイトコ無しです。

雨には雨の良さがあると言うのはよほど奇特な方か、脳内登山家に違いありません。個人的にも雨で良い思いをしたことはありません。

今回は登山を楽しむための非常に重要なファクターである天気の確認方法、要は天気予報の活用の仕方についてお話します。天気を把握することは山を楽しむにとどまらず遭難しないための必須科目です。

悪天候の中の登山に良いことはありません。過去に谷川岳で悲惨な目に遭いました。

天気予報の精度

活用などと言いましたが、僕は気象に関して専門的知識を持ち合わせている訳でも、感覚的に天候を読める才能がある訳でもありません。

ごく一般的な知識しか持ち合わせておりません。そんな人間が皆様にご紹介したいのは、数ある天気予報をどのように咀嚼したら良いか、ということです。

本題に入る前に、そもそもの天気予報の精度とはいったいどの程度なのでしょうか?我々が命を預けると行っても過言ではない予報の精度は果たして信頼に足るレベルなのか否か。

以下の表は気象庁が発表している、2018年の1月から9月までの全国の降水の有無の適中率の平均値です。観測地点で1mm以上の降水ありと予測してそれが的中した割合を示しています。

 今日明日3日目4日目5日目6日目7日目平均
9月8581757168686473.1
8月8481757269646272.4
7月8988858484838285
6月8783736965605670.4
5月9086777674726977.7
4月8784868685828084.3
3月8683908682817783.6
2月8684797979787580
1月8583828079767479.9
平均86.683.780.278.176.173.87178.5

月によって変動がありますね。6月8月9月が低いのは梅雨前線と台風の挙動が読みづらいためでしょうか。平均すると当日の的中率は86.6%でした。そこから先の日付になるに従い、的中率は下がり7日目では71%でした。

上の表は全国の様々な地点からサンプリングされた気象データの平均値です。一般的に山の天気の方が変わりやすいことを考えると、おそらく山の天気の的中率は表以下の結果になると思われます。

もちろん、エリア、季節、天気予報のサイトによって的中率は変動しますが、ざっくり言うと上の表が的中率の現状です。

天気予報は逆三角形にチェックする

それでは本題。どのように天気予報を見ていくかですが、結論を言うと、逆三角形的にチェック!です。逆三角形とは登山日に近づくにつれてチェックするエリアと濃さを広く浅くから狭く深くにウェイトを変えていく、ということです。図にするとこんな感じです。
天気予報チェック図

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登山一週間前

登山一週間前に確認すべきは週間天気予報です。このタイミングではおそらく的中率は70%未満でしょう。行こうとする山のピンポイントの予報ではなく、より広域な予報を確認します。例えば穂高岳なら、本州全体の予報をざっくり確認します。

ここでもし本州全域で雨の予報だったなら、多少低気圧の位置が変化したところで当日も雨の可能性は高いです。このタイミングで天気を確認する一番の理由は、行き先を変更する可能性の確認です。

これは僕の持論ですが、山で天候に恵まれたいなら、晴れを待つより晴れている山を探す方が良いです。雨の穂高より晴れの利尻のつもりで晴れている山を探してみましょう。ここでのチョイスが遭難を回避する大きなポイントにもなります。安全第一で登る山を決めましょう。

週間天気予報を確認するなら、とりあえず気象庁のHPでしょうか。あくまで天気のおおよその傾向を掴む感じで眺めましょう。

登山3,4日前

3日前になると、より詳細な情報を確認します。当日の時間帯ごとの天候、気温、風向きあたりをチェックします。そこから、持参すべき道具を検討します。フリースは厚手がよいか、アイゼンは持っていた方がよいか、などなど。

山のピンポイントの天気とその周辺も合わせて確認しましょう。一般的には天気は西から変化してきますので、登ろうとする山の西側の天気に着目してみましょう。ただし、地域、季節によってはその限りではありません。

これも僕の持論ですが、気象の読解に自信が無い人ほど、広域の天気予報と週間天気予報も気にしておくのが良いと思います。ピンポイントの予報が外れたときにどのように天気が転ぶのかが理解しやすいからです。

少し極端ですが、登ろうとしている山域は晴れ、それ以外の近隣では大荒れの予報の場合、予報が外れるとその山も大荒れになる可能性があるということです。気象知識に長けていれば、その可能性は低いことを判断できるかもしれませんが、そうでない人は大荒れの可能性も考慮しておくべきでしょう。

荒れた天気の中の登山は遭難街道まっしぐらです。自重しましょう。

登山3,4日前でのオススメのサイトですが、気象庁のHPはチェックしつつ、てんきとくらすでしょうか。
てんきとくらす
このサイトには登山指数なるものがあります。登山指数とは、HPによると、以下のように記載されています。

登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いてレベル値で表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。

  • 判定A:登山に適しています
  • 判定B:風または雨が強く、やや登山に適していません
  • 判定C:風または雨が強く、登山に適していません

総合的な評価なので、「A判定の日に登ればとにかく安全」と容易に判断できるところが良いです。しかし、一点不満なのは、晴れかどうかが見えにくいところです。山の醍醐味は良い景色を眺めることですから、極端に言えば、多少風が強くても晴れているのなら、自分の能力的に問題なしと判断できる山であれば登るでしょう。

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登山1,2日前

1,2日前になると、登山を決行するか否かを判断するタイミングです。チェックすべき項目は3,4日前と基本的に変わりませんが、登山当日以降の天気も確認しておきます。もし、登山日翌日に天候が崩れるなら注意が必要です。

登山直前でオススメするサイトはやまてんです。
ヤマテン
このサイトは猪熊 隆之という登山経験も豊富な気象予報士が運営しているため、登山者目線の予報が提供されているのが特徴です。月額300円支払わないといけないのが最大のネックかもしれませんが、その価値はあると思います。

あらかじめ気象情報を受け取りたい山域を選択しておくと、毎日、登山という観点からの天気予報を解説付きで配信してくれます。機械的な天気予報だと読み切れないニュアンスを伝えてくれるので登山直前には非常に重宝しています。

同じく有料コンテンツである「専門・高層天気図」も非常に参考になります。10日先の雨雲の動き、気圧帯ごとの気温などを見ることができ、広域天気を確認するのにお勧めです。なので、やまてんは1週間前~直前までどのタイミングにおいても有益な情報が得られるサイトだと思います。
薬師岳

ここまで確認して天候が崩れる予報が無ければ、気象起因による遭難は回避できると思います。自分の身を守るためにも天気はこまめにチェックするようにしましょう。

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